MENU

企業の森づくり

事業事例

case
07
case 07

日本初の実施となるYUNGA Forests Challenge Badgeプログラムを活用

事業(活動)の内容・仕組み

平成28年、荒川化学工業株式会社の創業140周年記念行事の一環として、岡山県小田郡矢掛町にマツタロウの森を開園することとなり、矢掛町と荒川化学工業株式会社の間で亀島キャンプ場近隣にある矢掛町有林約3ヘクタールの利用契約を結んだ。令和8年まで10年をかけて約1万本の抵抗性アカマツを植栽し、「マツタロウの森」を育むことになっている。令和3年には変更協定書締結により面積を従来の3.3haから4.3haに変更した。

事業(活動)を始めた背景・理由・経緯

アカマツは岡山県の県木、矢掛町の町木として地元地域に親しまれており、建築材としての利用のほか、備前焼の松炭原料としても利用されている。また、荒川化学工業株式会社にとって、松は特別な存在で、松から採れる松脂は、製品にはなくてはならない主要原料であり、日常生活にも欠かせないもの。なお、植栽に際しては、松くい虫に比較的強い抵抗性アカマツを用いている。

事業(活動)の成果・効果

令和4年度は11月と3月の2回に分けて、合計925本の苗を植栽。特に11月5日の植栽には山岡矢掛町長も参加した。参加者は大阪本社・工場・研究所と水島工場など様々な拠点から集まる全社的な活動となる。平成28年からこれまでに実施した植栽面積は約1.8ha、松の植栽累計本数は6,610本にのぼり、二酸化炭素吸収量*は8.10トン-CO2となっている。

*岡山県から認証された該当年度の吸収量に、過年度の推定吸収量を加算した数値

小学生を対象にしたイベントの様子

令和5年度は日本初の実施となるYUNGA Forests Challenge Badgeプログラムを活用し、小学生を対象にした『マツタロウ&ロジーナ教室』や、マツタロウの森でのハイキング、抵抗性アカマツの植栽を実施した。また、本プログラムの実施については、文部科学省主催の「令和5年度青少年の体験活動推進企業表彰」で奨励賞を受賞しました。

YUNGA(Youth and United Nations Global Alliance, 若者と国連グローバルアライアンス)は、国連機関、市⺠社会組織、及び⼦供や若者を対象に活動するその他団体間の国際的プラットフォームで国連機関FAO(国際連合⾷糧農業機関)の傘下にて平成21年に発足したもの。YUNGAチャレンジプログラムは、意識の向上、教育、また何よりも、若者が行動を変え、地域社会において変化をもたらすことのできる活力となるようなモチベーションを与えることを目的としている。

事業(活動)をスタートするまでの経過

1950年代まで、国産の松脂が流通していた時代は、松脂の最大の産地であった岡山県から、当社は多くの松脂を購入していた。現在では、国産松脂の流通はなくなったが、1970年、倉敷市に水島工場を開設以降、地元の方々との絆を大切にしている。

これまでも岡山県で植樹や山林整備、炭焼きなどのメセナ活動にも取り組んでいた。その中で「企業との協働の森づくり」事業のお話を聞き、荒川化学にしかできない形で貢献できないかと考え、「アカマツの植栽」による森づくりが始まった。

今後の展開方向

今後、「マツタロウの森」をつくることで、社員とその家族、そして地域の皆様との交流を深め、創業150周年に向けて、人と松とが共に成長できる森を育んでいくことを目指している。