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森づくりコーディネーター

Interview:森づくりコーディネーター✕企業

interview 06 森づくり企業

森づくりの仲間を増やして、一緒に地域振興を。

日本たばこ産業株式会社 北海道支社 総合営業第4チーム 
下山 晏明(あみ) さん(左)
日本たばこ産業株式会社 北海道支社 総合営業第2チーム 
辻 恵里那 さん(右)

2010年、積丹の森で活動スタート

どうしてこの仕事に係るようになったのですか?

お話しを伺った辻さん

辻:このプロジェクトにかかわるきっかけとなったのは、チームが積丹町の担当地域だったことが1つ。2つ目は、2024年春に積丹町で行われた「森づくりの日」の春開催に運営として参加させていただいて、実際に「JTの森 積丹」を見て、「海を育む水源の森」というコンセプトがすごく壮大で心惹かれ、どうやってこの森が自然環境を保っているのかという点に興味を持ったことです。

お話しを伺った下山さん

下山:昨年度まで辻と同じチームにおりまして、辻と同様エリアが担当地域であったことと、入社直後に担当だったこともあって、積丹町を訪れ、その豪快で雄大な自然のスケール感と豊かさに心動かされました。昨年度、森のプロジェクトの担当が代わる時期だったので、ぜひやらせてくださいと手を挙げてメンバーに入らせていただきました。

御社が森づくりを始めようとしたきっかけは何ですか?

辻:当社のグループ事業として、葉たばこや野菜といった自然由来の原材料に支えられている部分があります。そうした自然の恵みに感謝しながら、今後も自然環境を守っていきたいという想いから、「JTの森」の活動がスタートしたという背景があります。

JTの森は、積丹だけではなく全国9個所(積丹、鶴岡、小菅、中津川、中辺路、鯉が窪にいみ、三好、ゆのまえ、重富)で展開しています。北海道での活動をスタートする際には、「ほっかいどう企業の森林づくり」の制度を活用。積丹の森を選定し、森林協定を、第1期2010〜2020年(10年間)、第2期2021〜2026年(5年間)で締結し、森林づくりの取り組みを進めてきました。

JTの森 積丹(北海道)の周辺の様子
JTサイトより

第二期協定では「地域振興」も柱に。

御社の森づくりの内容や特徴をご紹介ください。

辻:「JTの森 積丹」での活動は、3本の柱でやらせていただいています。1つが森林整備、2つ目が「森づくりの日」。そして、2021年からの第二期協定の際には、新しく森林利活用による地域振興が3本目の柱として追加されています。

1つ目の森林整備に関しては、森林組合の方々にご協力いただきながら、森林の持つさまざまな機能をうまく活用できるように、更新伐、間伐、下刈り、植栽などの活動を行っております。

2つ目の「森づくりの日」は、これまで毎年2回、春と秋に行われています。活動内容としては、地域の方々と一緒にJTの社員もボランティアとして作業を行い、森林保育を学ぶ中で、レクリエーションとして地域間の交流や森林理解に務めています。

森林整備の様子(JTサイト「JTの森 積丹(北海道)> 整備の状況」より)

下山:森づくりの日は、朝7時頃集合してバスで積丹へ行き、現地でアクティビティやレクリエーションを行います。森のハンモック、山菜摘み、eバイク、ゴミ拾いも楽しく行なっています。JT社員だけではなくて積丹町の町民の皆さんとか、森づくりにご関心のある企業の方々、ご賛同いただいている企業の方々を招待して来ていただいたりして、最大150名位が参加されます。

辻:3本目の柱として新しく加わった地域振興は、主に間伐材の利活用や、体験型の観光を利用促進する活動です。「JTの森 積丹」で伐採が行われることになったので、伐採した木を少しこちらでいただいて、木を利用して何かつくろうと、現在進行中です。

JT の森積丹いきものこぼれ話カルタ
JTサイトからPDFをダウンロード可能

また、森林の利活用という項目の1つに、地域への自然学習機会の提供というのがあります。自然環境の特性把握を目的とした生態調査の結果や、既存の学術論文等の情報を基に作成した「JTの森 積丹いきものこぼれ話カルタ」も活用しながら、積丹町の住民の方の学びに活かしていただいております。

活動場所を積丹の森に決めた理由を教えてください。

JT の森積丹」(JTサイトより)

下山:私たちが担当する以前のことなので聞いた話になりますが、「ほっかいどう企業の森林づくり」という道庁のホームページをチェックしたのがはじまりだそうです。その後、本社のCSR部署と北海道支社の人間が、森林づくり活動の実施を北海道庁に相談し、ご紹介いただいた候補地すべてを先輩方が回ってみて、その中で特に、積丹の森林保全活動に対する熱い想いが伝わってきたことから、積丹の森を選んだと聞いています。

戻り苗プロジェクトで、森づくりをより身近に

「MODRINAE HOKKAIDO(戻り苗 北海道)」プロジェクトへの参加について。どのように始まり、どう展開しましたか?

辻:ほっかいどう企業の森林づくりに参加し、2010年からJTの森 積丹の取り組みを進めてきた中で、2023年から「MODRINAE HOKKAIDO(戻り苗 北海道)」という、道産落葉広葉樹の苗木をオフィスで育てて北海道の山に植樹するプロジェクトに参加しています。

その背景として、JT北海道支社が、「ほっかいどう企業の森林づくり」推進協議会のメンバーとして参画していることがありました。その協議会で、「MODRINAE(戻り苗)」を展開されているソマノベースさんのお話を伺って、「苗を実際に育てることでより身近に自然を体験できる。生き物を育てる大変さもわかる。だからこそ育ったときは感慨ひとしおだろうな。これは面白い!」と思いました。と同時に、ソマノベースさんが重点取り組みとして、防災、土砂災害被害ゼロ、緊急支援、環境保全などに注力されていることにも心を動かされました。

下山:「MODRINAE HOKKAIDO(戻り苗 北海道)」に参加するという意思決定は、JT北海道支社が独自で決めさせていただき、みんなで一斉にやってみましょう!という話になりました。決めてから1、2カ月ほどで、苗と土が届き、セッティングするところから自分たちでやりました。

苗を育てていく中で、せっかく芽吹いたものが枯れてしまったり、病気になってしまったり、上手くいかないケースも少なくありません。生き物を育てる、苗木を育てる難しさ、森に戻すまでは簡単じゃないということを改めて考えさせられました。森に還す難しさが身に染みて分かるというか、体感する貴重な機会だと思っています。

苗は社内に置いているのですが、暗さも問題になりました。光量を測っていただいた時にあまりにも数値が低くて、これは光の補助が必要だということになり、急きょソマノベースさんがLEDライトを手配してくださいました。設置していただいてすぐに発芽というか葉っぱが出たんですけど、その他の条件や、エアコンとか明かりがついている時間が不規則だったりもするため、うまくいっていない部分はあります。

JT北海道支社内のMODRINAE

楽しかったこと、こころに残っていることなど。

下山:「森づくりの日」を通して、色々な方がコミュニケーションを森の中で取り、森の良さを知ってくれて、そういうご意見や感想を聞くと、「これが1つのきっかけになってくれているんだな」と、嬉しくなります。

辻:去年、運営として、1つのプログラムに責任者として就く形で入らせてもらいました。私が担当したのは巣箱づくりだったんですけど、お子様から、高齢の方まで幅広い層の方々がいて。皆さん、おしゃべりしながら和気藹々と手を動かしていらっしゃって。自然の中だからこそコミュニケーションがうまくいくこともあるだろうし、それが貴重な体験になっているんだなと思いました。自分自身も、かかわる人の誰もがそうなんだなと。楽しい取り組みだし、今年も去年と同じように良いものにしたいなという想いが芽生えました。

下山:今回、ソマノベースさんと協業させていただくに当たって、「MODRINAE HOKKAIDO(戻り苗 北海道)」の取り組みから、普段は対話する機会のない企業との新たな接点が生まれたり、森林保全以外の新たな視点で「JTの森 積丹」をとらえる機会になったと感じています。事業領域へ貢献する意識や、社員の会社に対する理解という面で、森林保全活動に新たな一面が加わったのではないかなと。

繋がりを深め、輪が広がり、地域も活性化

仲立ちする支援組織や森づくりコーディネーターに期待することはありますか?

下山:期待どころか、すでにみなさんから多くの恩恵を受けています。道庁さんもずっとサポートしてくださって、「MODRINAE HOKKAIDO(戻り苗 北海道)」プロジェクトにも声を掛けていただけたし、積丹町さんとも「こんなことやりたいです」という話をフラットにできる関係になっています。さらに、積丹町さんは地域おこし協力隊の方が活躍されていたり…。繋いでくださる方々のおかげで輪が広がっていることを日々感じています。

積丹の地域おこし協力隊の方などから、「楽しんでもらえることをやろう!」と言っていただける機会があり、実際に森づくりの活動に入っていただけるようになったところから活動が盛り上がってきましたし、それと同時に積丹町さんの地域振興にもつながってきた実感があります。

多くの企業に参加いただき、一緒に地域振興を進めたい

今後の展望を教えてください。

辻:今、「JTの森 積丹」は、自然を学ぶ場としての活動が大きいと思いますが、これからは地域が元気になっていくにはどうしたらいいのかという、地域活性化、地域貢献の場にしていきたいと思います。その中で、地域の皆様や関係者の方々と連携して、森林保全や森林利活用に取り組むことで、積丹や北海道の地域活性化にかかわっていければいいかなと考えています。

下山:取り組みの3本目の柱に「地域振興」の項目が入って、盛り上がりを見せてきたところもあります。学びの場としては継続して維持していきたい活動ですし、プラス、還元できる森づくりでありたいなとも思っています。

弊社の森づくりの活動を通して、さまざまな企業様に来ていただいて、地域振興につながるような活動を一緒に進められたらいいと思います。

Message

森づくりへの参加を考えている企業・団体へ向けて、
一言メッセージをお願いします。

下山 晏明(あみ)さん
すごくきれいな海を持つ積丹町の、大きな森が近くにあって川が流れていてという森があるということを、もっと全国的にいろんな人に知ってもらいたいです。JTの森 積丹が、積丹町や北海道の皆さまにさまざまな形で還元できる仕組みをつくることが大事だと考えていて、お互いのパートナーシップを通じて、森づくりに理解と共感を持っていただける仲間を増やすことができたらいいなと思います。
辻 恵里那さん
ほっかいどう企業の森林づくりの制度を活用することで、町民の皆さんや関係者の皆様と一緒に、地域でつながる活動を行ってこられたと感じています。このような活動を進めていく上では、森づくりにかかわる皆様と連携することや、森づくりに共感いただける仲間を増やすことが大事だと思います。そのために、森づくりに対して熱い想いを持つ者同士が力を合せることで、その輪が広がり、結果的に町民の方々や道民の方々にとって欠かせないような森づくりになることを望んでいます。
interview06
コーディネーター

森林づくりを通じて、企業と地域をお繋ぎする役割を果たせれば。

北海道庁 水産林務部森林海洋環境課 主査
井内 聖(さとし) さん 
コーディネーター
森づくり企業

森づくりの仲間を増やして、一緒に地域振興を。

日本たばこ産業株式会社
下山 晏明(あみ) さん(左) 辻 恵里那 さん(右) 
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