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森づくりコーディネーター

Interview:森づくりコーディネーター✕企業

interview 07 コーディネーター

森づくり活動を、まずご自身が体験することから始めていただきたい。

公益財団法人かながわトラストみどり財団 みどり森林課長 
豊丸 敏秋 さん
公益財団法人かながわトラストみどり財団 みどり森林課 主任 
南橋 友香(ゆか) さん

「県民参加の森林づくり」ボランティア活動を年20回

この仕事に携わる以前は何をされていましたか?

お話しを伺った南橋さん

南橋: 大学で林学を学んでいた頃、うちの財団のアルバイトをしたことがあり、自分が勉強したことを活かせる、ここに入れたらと思いましたが、さまざまな事情で最初は別のところで働き、3年経った頃に財団の方と再会するチャンスがあり、入社しました。そこから9年、最初はまちの緑に係る仕事をしていましたが、産休を機にやまの緑の担当になりました。

やまの緑の担当者は6人いて、年20回の森林づくりのボランティア活動の企画運営や活動指導者(神奈川県森林インストラクター)の育成や要請に応じた派遣、森林づくりに係る普及啓発、緑の募金運動を行っています。
緑の募金を原資に学校に助成したり、神奈川県と共同で子どもの誕生や成長記念に植樹する「成長の森」、子どもたちから募集した緑化や育樹のポスターや標語のコンクールなどを担当しています。

お話しを伺った豊丸さん

豊丸:私はもともと林業とは無縁で、今の会社の前の前に居た財団では「アユ」の種苗生産、アユを年間100万匹つくって川に放流する仕事をしていました。そこがミッションを達成して解散のような形になって、たまたま次に入ったのが当財団の前身の森林づくり公社。初めての林業系でした。平成9年、ちょうど水源の森事業が始まったタイミングで、それからトータル26、27年にわたり、ボランティア活動、インストラクター事業、県との植樹祭など県と共同のイベントなどをやってきて今に至ります。

まず、森づくりボランティア活動への参加をお勧めする

企業の森づくり、どんな問い合わせがありますか?

豊丸:企業さんからのお問い合わせで、一番多かったのは「木を植えたいのだけど、どこか良い場所ない?」というものでした。それに対してずっと「神奈川県で木を植える場所がほとんど残っていないので、育樹から進めてください」と提案してきました。最近は、まず当財団が年20回行っている「県民参加の森林づくり」ボランティア活動に参加することをお勧めしています。企業でやりたいことの理想はあっても、実際にご自身が体験したことがないとわからないと思うので、企業で活動の核になるような方には必ず体験していただきたいと思います。そういう方が、次は社内の仲間を連れてきて一緒に参加してくれたりする例もあります。

企業独自の活動フィールドについては、県民参加の森林づくり活動を行ううえで、当財団から県や市町村等に候補地を募集していますので、その企業さんのニーズに合った場所があればうまい具合にマッチングできると思っています。

どのように企業と森林(地域)の仲立ちを行っていますか?

豊丸:今回のまいばすけっとさんの例だと、最初「レジ袋の収益を地元に還元したいんだけど、何か協力できることはありませんか?」と相談いただき、当財団の取り組みを紹介すると、神奈川県内の森林整備や緑化の推進に使われているのであれば「緑の募金」に寄付したいと希望されました。その時、「地域に還元したいのであれば、地元にフィールドを持って活動もしたらどうですか」と投げ掛けたんです。そして、森林づくりの活動現場にお連れして体験してもらったところ、「できそう」みたいな流れになりました。

まいばすけっとさんの活動フィールドをご案内いただきました。

川崎市水沢特別緑地保全地区での「里山管理活動に関する協定」を三者で締結

協定を締結するまでの経緯とは?

南橋:森林整備活動開始にむけて本格的に動きだしてから、神奈川県内で活動出来そうな場所を何カ所か視察し、選定しました。その中から、川崎市の水沢特別緑地保全地区に決定。協定を結ぶ以前のプレ活動を2022年6月に開始し、社員を対象に30名程度の規模で、森林づくり活動を2回行いました。

令和4年6月プレ活動の様子(竹林整備)

2022年11月には「覚書」を締結。その後、川崎市内の緑地で活動する上で既存の協定に当てはめるのが一番やりやすいのではないかということになり、「里山管理活動に関する協定」を川崎市とまいばすけっと、かながわトラストみどり財団の3者で2024年3月に結びました(協定期間:2024年4月1日〜2029年3月31日)。通常は川崎市と企業の2者で締結していますが、今回は活動をしていく上でのことを考慮し、財団も入れた3者協定となりました。そこから年4、5回の里山保全活動を続けています。

川崎市長応接室にて行った締結式(令和6年3月15日(金))の様子
公益財団法人かながわトラストみどり財団サイトより)

苦労したポイント、課題などがあれば教えてください。

豊丸:まいばすけっとさんが植えた苗木は、神奈川県山林種苗協同組合から調達した県産苗で、種類はサクラ、モミジ、クヌギ、コナラなど。成長はいいし、今のところは作業も順調にいっているので特に問題はありません。ただ、夏の活動をどうするかというのが今後の課題になっていくかと思います。木を植えてから5年は夏も草刈りをすると伝えてはいますが、あまりに暑くて参加した方々がぐったりされているのを見ると、気の毒だなと思ったりします。草刈りの時期を7月でなく5月後半、6月頭くらいに早めるとか、早朝に草刈りを終わらせて他のイベントと絡めるとか…。いろいろ工夫して暑さ対策をする必要がありそうです。

南橋:課題といえば、風が荒らして植えた苗木が折れてしまっているということがあります。周りが平地で、他の木もなく、植えたのは広葉樹で間隔を広めにしているので、とにかく吹きさらし状態。背が高くなると頭が折れたりしています。何とかしたいと思うのですが…。

地元への還元を実現し、地域の方と一緒に活動をめざす

良かったこと、楽しかったこと、心に残ったことは?

南橋:まいばすけっとさんは、一貫して「地元に還元したい」とおっしゃっていて。その気持ちがとても強いので、一緒に活動していても気持ち良く作業できます。活動フィールドの水沢緑地は、以前は本当にうっそうとしていた場所だったので、「きれいになったと近所の方に喜んでもらえたらそれだけで嬉しい」などと、見返りを求めずに作業に取り組まれているので、私たちも頑張りたいなとその都度思わされます。

整備前の植樹エリア

年4、5回の作業のうち、きつい草刈りは研修として行い、午前は座学の研修で午後に草刈りをする。楽しい竹林整備やタケノコ掘り、レッサーパンダに笹をというような活動のときは、お休みを使ってボランティアで行う。そういった形で、楽しいときは存分に楽しんで、しっかり作業するところは作業してというメリハリがあるのもいいなと思っています。

豊丸:将来的には、花見とか紅葉狩りとかを、周りの住民の人たちと一緒に楽しめればいいなというので、そこに向かって活動をしています。まだ周りの人を巻き込むには至っていませんが、徐々にはそういったことも考えられるのではないでしょうか。活動をチラチラ見に来てくださる近所の方々からは、「きれいになって良かった」「企業さんが手入れしてくれているから、助かっていますよ」と喜ぶ声が聞こえてきますし。

今後の計画は?

豊丸:この後は、まずは10年区切りで、植栽地の手入れをしながら竹林整備もしながら、水場のほうにどういう木を植えていくか、上の雑木林のところに手を広げていくかというようなことを、様子を見ながら進めていくことになると思います。大体の見当、頭の中に計画は持ちつつ、様子を見ながら提案していこうと思っています。

Message

森づくりへの参加を考えている企業・団体へ向けて、
一言メッセージをお願いします。

豊丸 敏秋さん
企業の方には、まず1回体験してもらうと話が早いと思います。森林づくりボランティア活動に1回出れば、大体どんなことをするのかわかりますし、これなら自分にもできる、社内のみんなもできるなどということが身体でわかっていただけると思います。
南橋 友香(ゆか)さん
頭の中で考えるのと実際に体を動かすのは全然違います。そんなのやりたいと思ってなかったのに渋々来た方でも、「結構楽しかった、これはいいな」と思ったらそのまま続けていっていただければいいし、自分たちには別の支援の方法や他のアプローチが向いていると思った方は、違うことを模索されればよくて。そういう判断のきっかけとして使っていただければと思います。
interview07
コーディネーター

森づくり活動を、まずご自身が体験することから始めていただきたい。

公益財団法人かながわトラストみどり財団
豊丸 敏秋 さん 南橋 友香(ゆか) さん 
コーディネーター

里山保全活動で社員のリフレッシュ、コミュニケーションづくり、地域貢献も。

川崎市建設緑政局緑政部 みどり・多摩川協働推進課 協働推進担当
飯田 珠実 さん 
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